先日、自分の研究を研究者の方にお話しした時、ドイツの人の監視されることや個人情報が取られることへの批判の背景には東ドイツの秘密警察(シュタージ)の過去があるにあるということをお聞きして、ぜひ行ってみたいと思っていたシュタージ博物館に行ってきました。
シュタージ博物館は、元々秘密警察が使っていた建物をそのまま使っていて、家具などもそのまま残され展示されています。建物の外枠もこんなに重厚的な感じ。とても大きい。
1〜3階まであって結構ボリューミーな展示です。
主に秘密警察がどのように東ドイツの人を監視していたのか、展示してあります。
例えば、木の中に盗撮機があったり。(普通に外から見たらバレバレだと思ったけれど笑)
ベルリンの壁がなくなって、しばらくして自分の家の壁を剥がしたら、実は自分の家がターゲットになって盗聴されていた跡などが展示されています。
この壁に入っている盗聴器とかは乾電池がこんなにもついていて生々しい。。。
隣の部屋の様子を撮影するための装置(壁に穴を開けている)
そして、盗撮した写真を効率よく保存するためのスキャンの展示や、ターゲットにしている人の特徴が書かれたカルテもあります。
そして、そのほかにもシュタージを仕切っていた人の部屋もそのまま展示されている。
ここで働く人はどんな気持ちで人の盗聴をしていたのか、、、
ベルリンの壁崩壊後に、そのカルテを大量に捨てられたらしいけれど、未だ残っているものは、この博物館の横の建物に保管されていて、希望者が、自分のカルテがあるかどうか確認できるらしい。
この博物館に行った後、シュタージがテーマのドイツ映画「善き人のためのソナタ」を見ましたが、映画にもこの博物館が出てきます。
どうやってシュタージが部屋を盗聴して、記録をしていたのか、
また、手紙を全て読んでいたなどということもこの映画を見ることで知ることができるのでオススメです・・・
シュタージには非公式組員というのがいて、友達だと思っていた人がシュタージに密告などをしたりしていたそう。
こうなった時に、もう誰も信用できないし、家の中ももしかしたら盗聴されているのかと思うと、自分だったら気が休まらないし、こういうことによってよく言われる社会冷却化が起きるのだろう。
そうなった時に、今のネット社会も、全然個人情報取られた方がいいじゃん、って思っている人はこのことの怖さを知るべきなのかもしれない。
その情報が、政府じゃなくて企業だから良いという話ではなく、昔よりより一層、自分の情報が誰に行っているのかわからない。しかも、それに対して何か罰せられることはあまりない(誰かに暴言などはいて、訴えられない限り)
でも、それが一番怖くて、誰に取られているのかわからないし、いつの間にか思想が変えられる可能性がある。
シュタージの時代は、個人情報を密かに集めることと、プロパガンダを世に伝えることが分かれていた。
けれども今はその2つがくっつき始めているからこそ、まず、情報を出さないことが食い止める一つのことなんだと思う。
きっと、ドイツの人はまだこの監視社会から30年しか経ってないからこそ、その記憶を持っている人は多いと思うし
危機感があると感じました。