念願のボロスコレクションに行ってきました。2年前は、予約が必要なのを知らず行けず、今回は予約しようとしたらもう1ヶ月先しか予約が取れなかったので、予約できる最短の日程を選んでやっと行けました(泣)
ボロスコレクションは、ツアーでの入場しかできないため、ドイツ語ツアーか英語ツアーかサイトで選んで予約します。支払いは当日です。
予約はここから→https://www.sammlung-boros.de/visit/info.html?L=1
サイトの VISITをクリックして、BOOK TOURをクリックします。

赤がドイツ語ツアー、青が英語ツアーです。黒丸がないところが予約できます。なので、合う時間帯をクリックします。

そして、自分の情報を入れて、無事記入したメールアドレスに予約完了メールが届けば予約できています!

私が参加したのは英語のツアーで7名ほど。私は日本人の友人と参加しました。
入り口がわかりにくいのですが、大きな通りに面している2つのドアで左側のドアの前に大きな石が置いてるところがエントランスです。中に入って、4,5個またドアがあります。
ブログなどで写真オッケーと書いてあったので、写真撮る気満々でしたが行ってみたら、NGとのこと(泣)
受付で名前を言って、貴重品以外は全部ロッカーに預けてからツアースタートです。
ボロスコレクションの建物はもともと防空壕だったこともあり、とても頑丈なコンクリートでできています。とても分厚い。外から約2m近くのコンクリートの厚さだそうです。中は、コレクション展示用に色々と改装したそうなのですが、迷路のような作りでおそらくツアーで回らなければ、絶対迷います。そして窓も1箇所しかない作りなので、非常に重厚感があって、いるだけでうっとする感じの空気感があります。
ただ、その作りと作品の展示がきちんとバランスが取れてて、作品が際立っている印象でした。ガイドさんも、ホワイトキューブにただ、作品を置くのではなく、きちんとボロスコレクションの作りに合わせたり、作品に合わせて空間が構成されていると言っていました。
たくさん作品があり、しかもガイドさんが次から次へと作品を紹介していくので、他の方のブログを見て、思い出す作品もありますが、特に印象に残った作品を紹介しようと思います。
まずは、一番初めにあった作品 カウンターの作品です。
飛行場にある、文字がカタカタと変わって文字が表示される掲示板が、全て真っ黒に塗られています。なので、常にカタカタと文字が変わっていく様子は見えるけれど、結局黒いから変わった文字も元から書いてあった文字も両方見れない。
掲示板は、飛行場などで人々が、どこからきて、どこへ向かうかの移動地点の役割を果たすけれど、これはどこにも行けないという無意味なものになっている。その、回転する文字盤と音をひたすら見ている自分たちという観客の関係性が面白い。
去年、岐阜に住んでいるときに大雪になった日があって、学校に行くと、花壇とか道とか階段とかも全て、色とか役割があるはずなのに雪で覆われて、真っ白で1日雪が降って、色が統一しただけでこんなに世界って変わるんだと驚いた子を思い出しました。
もう一つは中国のアーティストの作品
タイトルは忘れてしまったけれど卵が売られている箱が金色に抜かれて置かれている作品。
卵の入っているパック自体は、とても安物で価値のほぼないものにも関わらず、そこに金を塗るといきなり価値があるものに変わる。これは、先ほど紹介した作品とは逆で、価値がないものを価値あるものにするという作品ですが、なぜ卵のパックを使用したのか気になる。
ガイドさんは、中国の消費社会を象徴するものと言っていたけれど、それでもなぜ卵なのか、うまく聞こえなかったのが心残り。
もう一つは、エストニアの女性アーティストの方の作品。
インターネットの検索で引っかかった馬の画像を、拡大にして印刷、彫刻にしたものと、インターネットによくあるような成長率を表すグラフを立体にした作品。
シンプルだけれど、「もの」としての迫力が大きい。インターネットでただ単純に流れる画像(いわば数字の羅列)が、物質に変化した時に人に与える印象が変わるのが面白い。馬の画像も、実際見るのと画像を拡大して見るのとだと全然印象が変わるけれど、今やインターネットでなんでも検索できて、満足できるからこそそれでいいのか、数字の羅列を見ているだけで満足していいのかわからなくなりました。
昔、インターネット闇市で谷口雅彦さんがデジタルの写真を額に入れて売っていたけれど、その写真は画像データではなくてその画像のデジタル処理をするときのURL。つまり、その長〜い数字の羅列をちまちまブラウザのURL入力するところにうてば、画像が表示されるということにも通じるな、とふわっと思いました。
とてもシンプルな作品だけれど、自分の研究にも通じる部分もあって興味深かったです。
ボロスコレクションは、先ほど話した通りホワイトキューブにポンと作品が置いてあるのではなくその場所に合わせて作品が考えられていたり、ボロスコレクションのために新作が展示されているのもある。そして、オノ・ヨーコのようなインストラクションアートというか、ボイスのようなパフォーマンスアートの作品も展示されている。
特に最後に紹介してもらった作品は、包丁のスタンプが置いてあって、壁にそのスタンプが押されてある紙が掲示されている。そして、ここにきた観客もそのスタンプで紙に包丁のスタンプを押して持ち帰られる作品。
包丁のスタンプも原寸大の包丁の大きさでそれなりに迫力がある。こうやって、包丁を見て、その包丁のスタンプを体に近づけると、少しひやっとなる。それが自分にとっては面白い体験だった。普段料理で使っている包丁の刃を自分に向けてみたりする動作なんてしないから、今持っている紙の包丁でさえ、なんか本能的に脳はそれが包丁だと認識しているんだな、って思いました。
実際見た作品数は20個以上だったと思うので、とってもかいつまんで紹介しましたが他にも興味ふかいというか、知らないアーティストの方の作品がたくさんあって勉強になりました。特にやっぱドイツのアーティストが多かったかも。
また、機会があったら行きたいと思います。全然まとめになってないですが、忘備録のため(笑)ちょくちょく気が向いたら追記していこうと思います(笑)