TANAHARA MIZUKI Portfolio
プライバシーポリシーをきちんと読む
2018
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パーソナルデータを気づかないうちに収集され、売買されるという現在の状況は、プライバシー侵害であると考える。しかし、この問題がユーザーに伝わるタイミングは情報漏洩問題が発生した時である。例えば、2018年に発覚したFacebookのパーソナルデータ流出事件である。これは、パ ーソナルデータが選挙コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカ社に渡され、アメリカ大統領選挙に使用されていたのではないかというニュースが話題になりユーザーが Facebook アカウントの削除をする騒動に繋がった。しかし、これで取り上げられているのは、総パーソナルデータのほんの一部の部分である。その何倍ものパーソナルデータをユーザーはインターネット企業に取られている。それを一つずつ明るみにしていったところ でパーソナルデータが取られ続けている問題の根本的な解決にはならないと筆者は考える。もちろん、各メディアはプライバシーポリシーにどのような情報を取得するか記載して いる。しかし、それはとても細かい字で長文であるがゆえ、隅々まで読む人は少ない。例 えば実際、マーケティングリサーチ会社マクロミルが実施したプライバシーポリシーに関する調査によると、20-69歳の1000人中プライバシーポリシーを必ず確認する人の割合は 12%、確認する方が多い人の割合は 45%と合わせて、57%ほどであるという。 プライバシーポリシーを読む機会をもつ目的で筆者は 2018年5月、IAMAS学内にて作品「プライバシーポリシーをきちんと読む」を展示した。日本においてユーザー数の多い、LINE、Twitter、Google、Facebook のプライバシーポリシーを大きく印刷することで、企業 はプライバシーポリシーにきちんとパーソナルデータの扱いを記載しているという主張に 対して、実際にはユーザーが読んでいないという情報の非対称性を表した。
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